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5.賃貸物件の退去トラブル

今まで住んでいた不動産賃貸物件から引越しをしようと考えた時、まず不動産屋を通じて大家さんに通達をしてもらいます。そこで、あなたは契約書を確認する事になるでしょう。明日引越しをしますなんて言っても、大体1ヶ月分の家賃は支払う事になるでしょう。契約書にはそう書いてあるはずです。大家さんもいきなり言われて出て行かれても、退去に伴う作業が沢山あるからです。部屋のクリーニングをしたり、新しい借り手を探すために不動産屋を通して募集をかけたりしないとならないのです。部屋を長く空ける事は直接収入減に繋がるからです。その収入減のロスを少しでも短くするために、退去を通告されても家賃を確保したまま準備が出来る様にと、退去の意思報告から実際の退去までの期間を契約書に定めているのです。大体1ヶ月が通常の期間です。大家さんにとってはその期間が長いに越したことはないのですが、さすがに2ヶ月とは中々書けないと思うのです。
不動産の賃貸契約をする時、色々書かれた契約書にサインをして契約をしますが、実際全部読んで理解納得してサインをしている人は少ないのではないでしょうか。ちゃんと読んで理解しても、やっと見つけた理想の物件、または人気物件の契約書に、借手に不利な事が書かれていても、今退去時の事を考えてもピンこないし、まっいいかと思って安易にサインをしてしまうケースもあるのではないでしょうか。
不動産取引において契約書はとても重要です。小さい文字で見にくく書かれている事が、一番借手にとって重要要項だったりもします。それが身を持って痛感するのが、あなたが退去をする日なのです。ここでは関東方式の不動産賃貸契約の場合でお話したいと思います。
不動産賃貸契約をした時に、敷金を支払いましたよね。正確に言うと預けたのです。預けたものは返してもらう事が出来ると当然考えます。家賃は10万円なら、敷金は2ヶ月分、20万円の大金です。新たに不動産を賃貸しようと思っているなら、そのまま、また敷金に当てたいと思うことでしょう。ところが後日、返ってくると思っていたのに1円も戻ってこない。それどころか逆に支払いを請求されるなんてケースもあるのです。
当然抗議をしますが、涼しい顔で、契約書でお約束したはずです。あなたもちゃんとサインをしているではないですかと。慌てて契約書を見ると小さな文字で、クリーニング代金、原状回復費、鍵の交換など全てそれらは借主が負担すると書いてあるではないですか。しかし、ここで納得をしてはいけません。原状回復費については返ってくる可能性が高いのです。
長い間、不動産を賃貸して生活をしていたら、家のあちこちに汚れは出てくるのは当然です。真っ白だった壁紙は入居当時とは比べものにならないくらい変色している場合もあります。畳も日に焼けたり磨り減ったり。日当たりの悪い部屋にはカビが発生しているかもしれません。その変化は長く住めば住むほど顕著に現れてくるはずです。原状回復費は借主と書いてあるから、長く住んでこんなに汚してしまったので、借主がその修繕を負担しなければならない。仕方がないと思って言われるがまま支払ってしまうケースが非常に多いのです。しかしその認識は間違いなのです。全く逆なのです。故意に部屋を汚したり、傷つけたりしたのであれば、それはもちろん借主の負担で修繕すべき事です。しかし人がごく普通に生活をしていれば自然に汚れや傷みは出てくるのが当然の原理なのです。原価償却、自然消耗に基づいて考えるとよいのです。物の価値は時間の経過と共に下がっていきます。自然消耗で汚れた壁紙や畳を新品の状態に原状回復する義務は借主には発生しないのです。たとえ契約書に原状回復費を負担すると書いてあっても、自然消耗を負担するとは書いてないはずです。
また、契約書を楯に様々な事がらを借主に負担させる事は出来ないのです。不動産賃貸においてきちんとした法律はありません。ガイドラインも曖昧です。しかし、契約書の内容を貸主が借主に遂行させるにはきちんとした説明と借主の了承が必要なのです。小さな文字で難しい言葉で書いてあるだけではダメなのです。借主の納得と了承が明確にされていないといけないのです。
最近ではこの敷金に関するトラブルが増えています。契約の内容が変わってきたのではなく、敷金、預け金とは名ばかりで実際には殆ど戻ってこない現状に疑問を持つ人が増えてきたからなのです。
敷金の返還を求めて裁判で争うケースも増えてきてきます。一日で終わる少額訴訟なら手軽に訴える事が出来ます。またそのような報道を見てさらに疑問を抱く人が増えていっているのでしょう。不動産賃貸における契約内容は総合的に見てあやふやな事が多いです。裁判での争点は記述された契約内容において解釈の違いです。例えば、「畳、襖の取替え、エアコンの修理は借主負担とする」と言う文章を貸主と借主それぞれの立場において解釈してみたいと思います。
ます貸主側の解釈です。畳、襖は退去時に借主が金銭を負担して取り替える。エアコンが壊れていたら退去時に借主が金銭を負担して修理をする。
次に借主側の解釈です。畳や襖を入居中に取り替えたいと思ったら、借主が金銭を負担すれば取り替えてもよい。エアコンが壊れた場合、引き続き使いたければ、借主が金銭を負担すれば修理をしてもよい。
このような全く違った解釈が出来るのです。この解釈の違いが争点となって判決が下りるのですが、最近では借主の主張が通る判決内容になっている気がします。

しかし、敷金が全く戻ってこなかったからと言ってすぐに裁判を起こすような事は避けたほうがよいと思います。長年の慣習から退去時にかかる費用を大家さんは借主が負担するのが当然だと思っているケースが非常に多いのです。悪気なく堂々と請求しているのです。まずは落ち着いて話合いを持つ事から始めましょう。お互いの和解点を見つける事も必要かもしれません。意外に話して見るとすんなりいく場合も多いのです。私は同じ賃貸アパートに12年住んでいました。退去時に2ヶ月分預けていた敷金は当然のように戻ってこないといわれたので抗議しました。しかし、全く聞く耳を持たない感じであったので、全く返す気がないのであれば、少額訴訟も考えていると、はったりながら不動産屋に言ってみました。そうしたら全額は戻せないけど、ある程度はお返しますとの返事がすぐにきました。結果、預けていた敷金の約7割が戻ってきました。是非、退去時に敷金が戻ってこないとわかったら話し合いをしてみて下さい。

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